明子館長の佐賀発見!#12
第11回 佐賀キングダム空港と佐賀平野 2026年5月3日

佐賀空港の名前が最近変わっています。
その名も「佐賀キングダム空港」。
人気漫画「キングダム」の作者・原 泰久さんが佐賀県出身ということで、このコラボが実現したとか。
一昨年のゴジラも驚きましたが、こんどは”侍”。
一見ユニークですが、これは、佐賀県の情報発信プロジェクト「サガプライズ!」によるもので、すでに第43弾とのこと。
空港内は「キングダム」仕様に、近隣の干潟よか公園の防波堤は、全77巻を読める「読破堤」に。
~佐賀の火を絶やすでないぞォ。~という言葉には、どこか県民の心意気のようなものが重なりつつ、思わずクスッと笑ってしまう愛嬌もあります。
静かに見えて、実は大胆不敵。
そんな佐賀県らしさが、ここにもよく表れているように思います。
シベリアから有明海の干潟にやってくる渡り鳥たちも、きっと驚きながら楽しんでいるのではないでしょうか。


空港2階の窓から見える麦畑
さて、空港に降り立ち、有明海沿いから車を走らせると、すぐに出会う風景があります。
思わず声がでます。
「わぁー、佐賀平野だ~~」
佐賀県は決して大きな県ではありません。
けれども、さえぎるもののない空と、遠くまで続く大地。
地平線が見えそうなこの広がりは、初めて訪れる人にとって、ちょっとした驚きでもあります。
「な~にもないでしょー」と地元の人はよく言いますが、
いえいえ、関東ではけっして出会えない、豊かで伸びやかな風景です。
佐賀の麦畑、小麦色ってこのこと!
そして、もうひとつの驚き。
晩秋から翌年の春にかけて、あたり一面に広がる鮮やかな緑。
最初に見たとき、私は一瞬戸惑いました。
「えっ?冬に青田?」
けれどすぐに、それが麦畑であることに気がつきます。
佐賀では、多くの田んぼや畑で二毛作が行われています。
お米のあとに、麦や玉ねぎ、大豆が植えられ、季節ごとに異なる実りが続いていくのです。
なかでも、ビールや麦焼酎の原料となる二条大麦は、全国一の生産量。
空に向かってすっと穂を立てる麦は、5月のGWにかけて黄金色へと変わり、
やがて収穫の季節を迎えます。
九州・佐賀ではあたりまえの二毛作ですが、これは決して全国的にはあたり前の風景ではありません。
――麦秋(ばくしゅう)。
その言葉のとおり、大地はやわらかな光に包まれ、季節が移ろっていきます。
「小麦色の肌」という表現の背景を、ここで実感しました。

2026年4月、佐賀キングダム空港周辺の麦秋

広い空と大地、そしてそこに続く人々の営み。
佐賀の風景は、自然と人とが長い時間をかけて作ってきたものだと感じます。
佐賀県立宇宙科学館
館長 鈴木 明子
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□佐賀キングダム空港
□佐賀の農畜産物
https://jasaga.or.jp/agriculture/nousanbutsu/mugi

