明子館長の佐賀発見!#4
第4回 《ゆめぎんが》の由来、知っていますか? 2025年3月8日
佐賀県立宇宙科学館の愛称、《ゆめぎんが》はどうやって決まったか知っていますか?
このなんともステキな名前は、
科学館開館前の1998年に佐賀県教育委員会が公募をして、
全国から集まった1,757件の中から選ばれた名前です。
「子どもたちに科学への夢とロマンをはぐくむ同科学館のイメージにぴったり」
というのが選定理由でした。
ほんとにロマンチックな名前ですよね。
そして、私はもうひとつ素敵なストーリーがあることを知りました。
《ゆめぎんが》は、実は実在する小惑星の名前なんですって!
1992年に北海道北見市の渡辺和郎さんが、小惑星12746を発見。
渡辺さんはこれまでに800個以上の小惑星を発見した著名な小惑星ハンターです。
小惑星は、発見された後に軌道が確定すると番号がつけられ、
その後発見者に名前を提案する権利が与えられます。
宇宙科学館創立10周年を記念して、
佐賀県は渡辺さんからその命名権を譲っていただき、小惑星12746を《Yumeginga》と提案しました。
(注:登録上の正式な命名権者は渡辺さんです)
そう、《ゆめぎんが》は、フランス・パリに本部のある国際天文学連合(IAU)が
正式に認め国際登録された本物の小惑星の名前でもあったのです。
そして、まだまだびっくりは続きます。
ほかにも佐賀の名前のついた小惑星があることを発見!
【佐賀の地名で命名された小惑星】
小惑星「Takeo (武雄)」(小惑星番号19953)
1982年11月14日発見
小惑星「Ureshino (嬉野)」(小惑星番号52260)
1982年5月22日発見
小惑星「Karatsu (唐津)」(小惑星番号29514)
1997年12月25日発見
小惑星「Taracho (太良町)」(小惑星番号6197)
1992年1月10日発見
ちなみにこれまでに世界中のハンターが見つけた小惑星の数はおよそ130万個、
JAXAの「はやぶさ」が着陸した小惑星は「イトカワ」、
「はやぶさ2」は「リュウグウ」と名づけられましたね。
小惑星の名づけには、ひとつひとつに素敵な物語がありそうです(^^)
p.s. この文章を書いている途中に、新たな小惑星に「武雄楼門」「吉野ヶ里」と名づけられたという佐賀新聞のニュースが飛び込んできました。
宇宙にも佐賀の星!★
**********************************************************
小惑星ってなに?惑星と何が違うの?って思ったひと、
今さら聞けないってことはないですよ~
ぜひ調べてみてください。
小惑星ってどんなものなんですか?(JAXA/ISAS)
https://www.kids.isas.jaxa.jp/faq/solarsystem/ss10/000119.html
天文学辞典(公益財団法人日本天文学会)
https://astro-dic.jp/asteroids/
天体の命名(International Astronomical Union 国際天文連合)
https://www.iau.org/public/themes/naming/
こちらは英語ですが翻訳ボタンをピッと押してみてください。あら便利!
佐賀県立宇宙科学館
館長 鈴木 明子