私は中学校の理科教諭として長年働いてきました。昨年から県立宇宙科学館の研究交流グループ佐賀班に所属し、佐賀に生息する生物について、学校では学習しないことを写真や動画などを使って解説する「いきものトーク」を担当しています。

 学校での授業に関心のない子どもたちにも、興味を持ってもらうことからスタートします。いきものトークでは難しい専門書を読まないと得られないような知識も、スタッフが分かりやすくかみ砕いて説明します。

 ひだが多いムツゴロウのえらについて解説する時は、ノートのページを開いてひだに見立て、えらの表面積が増えると酸素の吸収量が増えることを伝えます。話を聞いた参加者の目は輝き、「へぇー」という驚きの声が上がります。実際に生き物に触れることもでき、知る喜びにあふれています。

 「聞いてよかったね」とうなずきあったり、「おもしろかったね」と言ったりして会場を出ていく親子連れの姿に毎回、活力をもらっています。

 (研究交流グループ・山下奉久)