超小型人工衛星サガンサットが完成しました


佐賀県立宇宙科学館《ゆめぎんが》で開講しているJAXAGA SCHOOL(ジャクサガスクール)の高校生が開発する超小型人工衛星SaganSat(サガンサット)0号機が完成しました。佐賀県立唐津東高校、武雄高校、私立北陵高校、早稲田佐賀高校の5校の理科クラブ等の生徒が九州工業大学に組み立てなどの技術支援を得ながら、3年がかりで完成させました。複数の高校の生徒を科学館がとりまとめて超小型衛星を開発する試みは全国でも初めてです。
北九州市戸畑区の九州工業大学で4月6日、完成披露会があり、唐津東高校、武雄高校、北陵高校3校の生徒、教諭が出席。佐賀県の高校生が自分たちで考えたミッション(任務)が詰まった手のひらサイズの人工衛星を間近にして、打ち上げへの期待を膨らませました。 完成披露会は佐賀県、武雄市の宇宙科学館宇宙教育プロジェクト、高校生、九州工大宇宙システム工学研究系の北村健太郎教授ら約30人が参加しました。 佐賀県文化・観光局の山崎和也副局長があいさつで自らも唐津東高の卒業生と触れ、「佐賀から宇宙を、宇宙から佐賀を考える機会をつくり、チャレンジする心で科学への興味を育ててください。みなさんが考えたミッションが反映されたサガンサットを見る初めての機会です。先輩の夢や希望をのせ、宇宙に挑戦してほしいと思います」と述べました。
続く概要説明で宇宙科学館宇宙教育プロジェクトの田中政文マネージャーが2021年にスタートした3年間のプロジェクトの活動を紹介しました。2021年に衛星開発の目的になるミッションを提案するコンテストに8校11チームが応募、5校の参加が決まり、3ミッションが採用されていました。
ミッション1は唐津東高校、北陵高校の「サイコロ宇宙航記」。衛星の左右のパネルに360度撮影できるカメラをそれぞれ設置、2台の写真を合成して720度の映像にします。この全天周映像を通して、衛星から見える景色を体感することができます。 武雄高校、有田工業高校のミッション2「赤外線を使った地球の気候の調査」は赤外線カメラで宇宙から地球上の雲の量や分布を測定、洪水や水害が起こりやすい地域を監視して対策を取ることに活用します。 早稲田佐賀高校のミッション3「宇宙の音の集音」は宇宙空間でγ(ガンマ)線を測定して音に変換、地上でのデータと比較して地上と宇宙での放射線の違いを子どもでも分かるように表現します。 ミッション策定後、各校でミッション基盤を開発、試験機のエンジニアリングモデル作製をスタート。九州工業大学で各種の試験を繰り返した実機のフライトモデルを製作しました。卒業する上級生から下級生に引き継ぎながら、衛星の打ち上げ、運用に向けたさまざまな講座を受けてきました。 3年がかりで先輩たちから取り組みを引き継いで出来上がったサガンサットに高校生たちはクリーンルームで対面、10センチ立方に収まった超小型衛星を間近に見て、「思っていたよりコンパクト。このサイズに機能を詰め込むなんてすごい」と驚いていました。唐津東の生徒は衛星をじっと見つめ、自分たちの任務のカメラの位置を確かめながら「先輩たちが頑張った結晶をどう生かすか考えたい」と話し、北陵の生徒は「先輩方の苦労を引き継いでいく」と決意をこめました。水害にたびたび見舞われた武雄の生徒は「災害を予測に役立てられるようになって、地域に貢献したい」と話しました。
衛星は4月15日、JAXAに持ち込み、今年夏ごろに米国のスペースX社のロケットで打ち上げ、ISS(国際宇宙ステーション)に運ばれます。ISSから宇宙空間に放出、地上420キロの円軌道に乗れば、宇宙科学館に新設した地上局キューブサットラボと結んで運営やデータ解析します。 ジャクサガスクールは佐賀県とJAXA(宇宙航空研究開発機構)が連携し、宇宙を切り口とした教育プログラムを小学生、中学生、高校生それぞれの部で年間を通じて佐賀県立宇宙科学館や吉野ケ里歴史公園などで行っています。未知へチャレンジする心、科学への興味や郷土への誇りを育むための場所です。

完成披露会のようす


人工衛星を間近に見て観測カメラの位置を確かめる唐津東高校の生徒たち

クリーンルームの前で北村健太郎九工大教授の説明を聞く生徒たち

クリーンルームの前で記念撮影をする武雄高校の生徒たち

クリーンルームの前で記念撮影をする北陵高校の生徒たち

挨拶する佐賀県文化・観光局の山崎和也副局長

プロジェクトの概要を説明する田中マネージャー

3校の生徒がそろって研究棟の前で記念撮影



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