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*** 水の流れを利用する工夫 ***

           水車の回転を精米のために利用


水車は電気やエンジンのない時代、いろいろな場面で貴重な動力源として活躍しました。これは米を精米するための水車です。電気による精米機と違って、水車はゆっくり回転しますので1回の精米に要する時間は6時間もかかるそうです。しかしながら、精米の時に米に熱が伝わらないのでおいしい白米になるというのが水車小屋を管理しているおじいさんの話でした。


  精米するための水車(復元されたもの。 佐賀県武雄市川古)




  水車の回転は木製の歯車を経て杵に伝えられます



  水車の回転運動が杵の上下動に伝えられ、臼の中の米を精米します



木製の歯車や、回転運動を杵の上下動に変えるための機構は木製ですので古くさく見えるかもしれません。しかしそこに使われているアイディアは現在の機械装置に使われているものと基本的に同じです。
古くさく見える水車等の工夫の延長上に現在の様々な仕事をこなす複雑な機械装置があります。精緻になった現在の機械装置を理解する手始めに素朴な水車等の動きを追ってみるのもおもしろいと思います。
蒸気、電気、エンジン等の動力源がなかった時代、水車は動力を得るための極めて実用的なもので、特に中世ヨーロッパでは、製粉や揚水だけでなく、多種多様な工業生産用の動力として活用されました。日本でも線香用の杉の葉の粉砕や澱粉工場の動力、製茶、製紙等さまざまな用途に使われていました。

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